ヤマト運輸とロジザードの中国現地法人がタッグ
YILによると、中国では日本などからの越境を含めたeコマースが急激に拡大している。特に「独身の日」などキャンペーン実施時の出荷増への対応は、「人員を増やす」という旧来的な手法に頼らざるを得ないのが実態だった。さらに人件費の高騰や作業員不足の課題は日本と同様で、これらに対しての中長期的な対応が物流事業者には求められている。
こうした課題に対処するため、ロジザードが中国企業にOEM提供する在庫管理システム「e-倉管」と、100以上のロボット倉庫プロジェクトに5000台以上のロボットを供給している北京极智嘉科技有限公司のAGVとの連携で、自動化物流システムを構築した。
これにより作業の大半を占める商品のピッキング作業と、入荷時に商品を保管棚へ運搬・格納する作業を自動化し、作業効率が従来比3倍となり、急な出荷増への対応やキャンペーンなどの物流増に対しても、人員を新たに雇用する必要が無く、高品質な物流サービスの提供が可能となったという。
今後はEC領域外の物流業務にも提供範囲拡大へ
日本に先駆けての導入は既存顧客から対応するが、今後はeコマース事業を展開している企業に限らずBtoBの「小口多頻度の店舗納品型のビジネス」をしている顧客や、現在の物流品質に課題を抱える企業に対してもサービスを提供していく方針という。
また、BtoBとBtoCの領域で、より細かなニーズに対応するため、今回のAGVの導入を皮切りとし、人工知能などのデジタルテクノロジーや自動化設備を積極的に活用した高品質な物流サービスを中国において提供して行く考えを示している。