「独身の日」で天猫が大幅な増収
売上増は傘下のECモール「天猫(Tmall)」が、ネット通販最大の特売イベント「独身の日(W11)」で売上を大きく押し上げ、EC事業に安定した増収をもたらしたことが大きい。さらに、国内のリテール事業とクラウドコンピューティング事業の売上が大幅に増加した。
EC事業の売上高は同38%増の1414億7500億元(2兆1900億円)。うち、中国国内のリテールビジネスの売上高は同36%増の1104億5800億元(1兆7,100億円)。クラウドコンピューティング事業は62%増の107億2000億元(1661億8000万円)となり、単一四半期の売上高が初めて100億元(1550億円)を超えた。
月間モバイルアクティブユーザーは8億2400万人
中国小売市場の月間モバイルアクティブユーザー数は、10~12月期で8億2400万人に達し、同9月末時点より3900万人増加。同じく、年間アクティブユーザー数は 7億1100万人となり、同1800万人増えた。新規ユーザーの60%が新興地域のユーザーだった。
W11は過去最高記録更新、流通総額は26%増の4兆2000億円
EC事業をけん引する天猫は、引き続き市場での優位性を維持し、消費者セグメントに合わせた施策はユーザーからも評価され、注文数増加と高い注文頻度に貢献。「W11」も過去最高記録を更新し、流通総額(GMV)は同26%増の2684億元(4兆2000億円)に達した。期間中には20万以上のブランドが参加し、GMVの成長と新興地域へのブランド浸透を実現した。
タオバオ(淘宝)はコンテンツの刷新やパーソナライズされたレコメンデーションの最適化を継続的に実施したことで、特にライブコマースサービス「タオバオライブ(淘宝直播)」が、最も有効なマーケティングツールとなった。タオバオライブによるGMV及びライブを観る月間アクティブユーザー数は19年12月時点で前年同期比100%以上増えている。
新型コロナウイルスで生活必需品を供給
その他の事業でも、ローカルサービス(前年同期比47%増)、越境及びグローバル小売ビジネス(27%増)、デジタルメディア及びエンターテインメント(14%増)、イノベーション(40%増)など、利益貢献度は高くないものの、順調で継続的な成長を維持している。
また、新型コロナウイルスによる新型肺炎の感染拡大に関して、「困難な時期」との表現を用いながら、「アリババグループのエコシステムによるビジネスやテクノロジーを活用し、地域への生活必需品を供給しながら、中小企業やマーチャント支援策を展開する」と表明。新型肺炎との戦いを全力でサポートし、試練を乗り越えていく決意を明らかにした。