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2018年国内アパレル市場は前年比100.1%の9兆2,239億円規模 百貨店・量販店が苦戦する中でEC化やオムニチャネル化で奏功したセグメントも

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内アパレル市場を調査し、品目別や販売チェネル別の動向、アパレルメーカーや小売業などのアパレル産業の現況を明らかにした。ここではその概要についてポイントを絞って見て行く。

百貨店チャネル・量販店チャネルでは苦境

2018年の国内アパレル総小売市場規模は前年比100.1%の9兆2,239億円となり、2年連続の横這い推移となった。品目別に市場をみると、婦人服・洋品市場が前年比99.8%の5兆7,214億円、紳士服・洋品市場が同100.7%の2兆5,845億円、ベビー・子供服・洋品市場が同100.0%の9,180億円となり、紳士服・洋品は微増、ベビー・子供服・洋品は横ばい、婦人服・洋品は微減だった。

販売チャネル別にみると2018年は紳士服・洋品、婦人服・洋品、ベビー・子供服・洋品、いずれも百貨店チャネル、量販店チャネルにて苦境が続いている。その一方で、いずれの品目も専門店チャネル、その他(通販等)チャネルで微増となった。

紳士服メーカーではEC化が奏功

2018年の国内アパレル総小売市場規模を販売チャネル別に見ると、百貨店は前年比96.0%の1兆7,945億円、量販店は同96.3%の8,027億円、専門店は同101.0%の5兆674億円、その他(通販等)は同104.2%の1兆5,593億円と、専門店チャネルおよびその他(通販等)チャネルが伸長している。

百貨店は、衣料品全般が厳しい状況が続くが、紳士服においては売場の見直し、商品のテコ入れなどあらゆる施策を講じている中、AI を活用した接客ツールを自主編集売場に導入するといった動きも見られ、より顧客ニーズに即した提案を強めている。

量販店はマイナス基調が続き、明るい兆しが見えない。店舗によっては在庫過多による仕入れ抑制の影響やアイテムを全面撤廃するといった動きもあり、プラスに作用する要因が見出しづらい。

専門店は、セレクトショップのようなファッション性を訴求し、感度の高いゾーンが堅調に推移したが、主要紳士服専門店チェーンは苦戦を強いられている。その背景には、天候不順のほかにクールビズによるカジュアル化、スーツ離れの影響がある。一方、紳士服の大手メーカーでは自社サイトを中心とするE コマースに注力する成長戦略が引き続き功を奏している。

オムニチャネル化がさらに重要に

このように2018年の国内アパレル総小売市場規模は前年比100.1%の9兆2,239億円となり、専門店チャネルは前年比101.0%の5兆674億円、その他(通販等)チャネルは同104.2%の1兆5,593億円と伸長した。

同社は将来展望として次のように述べている。

「国内アパレル総小売市場は、今後、少子高齢化の影響などにより横ばいから微減傾向で推移する見通しである。販売チャネル別では、EC(ファッション通販サイト)が好調なことなどから、引き続き『その他(通販等)』の構成比が高まっていくと予測する。そのため、今後ますますオムニチャネル化の戦略が重要となる。リアル店舗を意識したEC展開の取り組みがより必要となっており、相互の送客効果が生き残り戦略になる」

大きく変化する市場と消費動向。特にアパレル分野はサイズの問題などからリアル店舗の優位性がありつつ、ECからの購入も増加しており、顧客とのロイヤリティ醸成の上からもEC化とオムニチャネル化は重要な要素となってきそうだ。

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