拠点拡充に向けシニアで人員確保
食品宅配の市場の拡大は、オフライン(電話)からオンラインによる注文が牽引している。出前館のオーダー数も前年比20%と伸びているが、一方で、新たな販路としてデリバリーサービスを開始したくても、人手不足や配達のリスクなどの問題などで二の足を踏む飲食店が多い現状があるという。
出前館は2017年から、配達機能を持たない店舗でも、出前館に加盟する複数店舗で配達機能をシェアするサービス「シェアリングデリバリー」を開始し、現在は関東と関西を中心に、北海道、宮城県、愛知県、広島県、福岡県で展開している。拠点は、10月末で228拠点に及び、20年8月末までに300拠点への拡大をめざし、これに伴う人員確保のためにシニア層の積極的な活用を決めた。
シェアリングデリバリー拡大へ
出前館の清村遙子・執行役員は、シニアの活用促進について、「自身の経験を活かした温かみのある接客や、安定勤務により顧客満足度向上につながることを期待している」とし、シニアの雇用比率を22年8月までに30%をめざす方針を明らかにした。
さらに、配達代行サービス「シェアリングデリバリー」の拡大を通じ、単なる食事の「デリバリーサービス」から、これからの日本に欠かせない「ライフインフラ」になることを中長期的にめざすことなども見据えている。
大阪・兵庫・名古屋で説明会
出前館は6日、厚生労働省の「生涯現役促進地域連携事業」の一環として大阪市で開かれる「シニア向け大お仕事説明会」に求人企業として参加する。年明けには、いずれも地元の労働協会などが催す「55歳以上の方向け合同企業説明会」(1月31日、兵庫県明石市)、「55歳以上限定のミニ企業説明会」(2月25日、名古屋市)への参加を決めるなど、全国各地で行われる企業説明会への参加を通じ、シニアの活用促進策を強化する考えだ。