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道路貨物運送業、EC向けは好調も輸送量全体では減少

(株)帝国データバンクがこのほど発表した『道路貨物運送業動向調査』の結果によると、市場規模はEC向けが好調の一方、輸送量全体は減少するなど、業者間の取扱高に差。燃料費の高騰は深刻で倒産件数とも連動し、今後も増加が懸念されている。

宅配貨物運送市場は拡大基調に

ここ数年、Amazonや楽天、ヤフーなどEC市場が定着。併せて、新型コロナウイルスの感染拡大以降の外出自粛により、宅配貨物運送市場は拡大基調にある。爆発的な取扱量の増加を背景に、ドライバーの労務問題や宅配料金の引き上げなどの問題が発生しているが、大手を中心にAIを導入した新たな物流インフラ構想も進んでいる。

 国土交通省発表の宅配便取扱実績によると、2020年度の宅配貨物取扱個数は48億3647万個となり、この20年間で約20億個増加した。これはEC市場が急速に拡大したことが要因といえ、特に20年度は巣ごもり需要の増加から前年度比11.9%増と急増した。一方で、20年度の国内貨物輸送量は前年比84.9%と10ポイント以上減少。業者間で取扱量に差が出てきており、一部業者は売り上げの減少にも直面している。

 これは同社の調査でも明らかだ。道路貨物運送業の売上高合計と社数は、12年から増加基調にあったが、20年は社数こそほぼ横ばいだが、売上高合計は3%減少。1社あたりの売上高も減っており、取扱品目によって売上高動向に大きな違いが出てきている。

人材不足と燃料費が長年の課題に

 業界の長年の課題は人手不足と燃料費。人手不足問題は、貨物量の増加傾向による需要増に加え、社会全体で人手不足感が強まり、運送業を志望する人手が減少。17年3月の改正道路交通法の施行で、それまでは普通免許で運転が可能だった車両総重量5t未満、最大積載量3t未満の自動車が運転できなくなったことで、若年層のドライバー希望者が減少し、人員不足とドライバーの高齢化の要因となっている。

 EC市場が我々の生活に欠かすことができなくなったいま、配達を支える運送業者もこれまで以上になくてはならない存在となっている。しかし、貨物輸送量自体はコロナ禍による経済活動停滞の影響から減少しており、業者間格差が拡大している。

 また、全業種の倒産件数が⼤幅に減少する中、21年の道路貨物運送業者の倒産が増加していること、倒産件数に燃料費と連動性があることも見逃せない。

 中期的には「2024年問題」への対応が必要だが、まずは人手の確保、燃料費が高騰する中での収支改善が喫緊の課題という業者は、零細企業を中心に少なくない。ラストワンマイル配送の効率化、核業務の自動化や機械化など物流DXが進んでいく中で、どこに資金を投入するか、資金を投入できるかが重要となるとみている。

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